猫はどこまで人間の言葉を理解しているのか?より理解してもらうには?

デグーと猫

猫は人間の言葉を理解しているのか?

「理解出来ない事」と「実行しない事」は違う

「おいで」と呼んでも来てくれないし、ダメって怒っても繰り返すし、猫ってあんまり人の言葉を理解していないんじゃないの?とは、よく言われることです。

特に、打てば響くような反応をしてくれる犬を見ている人からはよけいにそう見えるようです。

でも、意外と猫は人の言葉を理解しています。

「おいで」と呼ばれたとします。その意味は解っているのですが、呼んだ人の元に行くか行かないかは猫自身に決定権があります。

ダメと言われても繰り返すのは、怒られるのが嫌で一旦はやめるけれど、やってもいいかどうかを決めるのは猫自身だからです。

それに禁止される事をやると、飼い主が反応してくれるので飼い主を呼ぶのに便利な方法でもあります。その上、「言うことを聞いてくれないと、ダメな事を続けちゃうよ?」という交渉に持ち込む事もできます。

猫って思いのほか、頭がいいんです。

どれくらい理解しているの?

猫の言葉の理解度は、人間に置き換えると、違う国の言葉程度と推測されます。

全く理解出来ない言葉の国にホームステイした場面を想像してください。はじめは話している言葉自体はよくわかりません。でも感情やジェスチャーなどによって、ある程度の推測が出来ます。

喜んでいるな、とか怒っているな等は声の調子や表情で読み取れます。その言葉の調子と、相手の動き見る事でさらに相手の言うことが解ります。美味しそうなおやつを目の前に置かれて、ニコニコと何かを言っていれば食べてね、という意味の事を言っているんだろうなぁ、と言った感じです。

そのうち、良く繰り返される言葉がわかってきます。
まずは自分の名前、
その国で独自のニックネームをつけられていたとしても、自分を指すものというのはすぐ理解出来るはずです。

次に、場面によってでよく使われる言葉に気が付いていきます。食事の用意が出来た時にかけられる言葉、外出に誘われる時の言葉、そういうものを覚えて行く事で、少しずつその国の言語を理解できるようになっていきます。

つまり、経験によって理解がどんどん深まっていくのですね。

だから、猫はどれくらい言葉を理解しているかという問いの答えは「その猫によって違う」という事になります。

猫と言葉で意思疎通をする方法

とにかく話しかけよう

猫に、人間の言葉を聞く経験を積んでもらいましょう。

特に、意味が理解出来る事を前提に話しかけると、真剣に聞いてくれます。わかりやすいように、少しゆっくり目に感情をこめて話してあげましょう。

場面によって決まった声かけをすると、言葉によるコミュニケーションがスムーズに出来るようになってきます。

出かける時や帰って来た時、ご飯に呼ぶ時、寝る前など決まった言葉で声かけをする事で、何を意味するか理解してくれます。

猫がその声かけに対して反応してくれれば、さらにそれに対して言葉を返します、

「行ってくるね」という声かけに対して、嫌だ家に居て!という反応が返って来るのはよくあることです。出かけるという事を猫が理解したのは、「行ってくるね」という声かけよりも、飼い主さんが服を着替えたり準備をしている様子を見たからかもしれません。

でも、「行かないで」という反応に対して言葉をかけるとします。

たとえば「すぐに帰ってくるからね」とか、「遅くなるけどごめんね」など。

すぐ帰ってくると言われた時は、1時間以内に帰ってくるし、遅くなると言われたらなかなか帰ってこないなぁ。と猫はその経験を積む事でその言葉の意味を理解してくれるようになってきます。

そうしたら、すぐに帰ってくるならまぁいいか、とか遅くなるなんて嫌だ!という反応になってきます。その「遅くなるなら嫌だ」に対して「おいしいご飯をお土産に買ってくるからね」と説得したりします。

ここまでくると、言葉でのコミュニケーションがとれていると言えるのではないでしょうか。

ヘレン・ケラーの「water」のように言葉を理解する瞬間がある

視覚と聴覚を失った女の子が、井戸の水を片手にうけた状態で
「water」
という単語をもう片方の手に綴られて、衝撃的なほどに深く意味を理解した。

ヘレン・ケラーの物語で、とても有名なシーンですね。私は家のユミで、この「water」の瞬間を目撃しました。

ユミが生後5~6ヶ月くらいで、まだ実家に住んでいた時の事です。たまに人が通る程度の細い道に面して、大き目の窓がありました。その窓際に座り、ユミと一緒に網戸越しに外を眺めていました。

そこに通りかかった女性が、ユミと私を見つけて「かわいいねー。名前はなんていうの?」と声をかけてきました。ユミは極度の人見知りなので、女性が声をかけてきた事に驚き抜き足差し足でその場を離れ初めている状態です。

「ユミです」と私が答えると「そう、ユミちゃんていうのー。かわいいねー」と、猫好きな人なのか、本当に心から「かわいい」と言ったのです。


「かわいい」と声をかけられたあたりの幼いユミ

その、「かわいい」という言葉を聞いた瞬間、ユミが雷に打たれたような衝撃を受けたのが見えました。

「かわいい」なんて、それまでにも私を含め家族が何十回、何百回とユミに繰り返し言い続けています。ユミも、ほめられているということは理解していました。

ただ、そのかわいいという言葉の本当の意味、自分という存在の全肯定であるという重い意味まで解ったのがあの時でした。

(ちなみにその後、逃げかけていたユミはその人に近づいて行きましたが知らない人が苦手なのでまた逃げ始めました)

その「water」の後は、人が発する言葉への理解度が格段にあがりました。

ずっと熱せられていた水が急に水蒸気に変わるようにあの時が、量が質に変わった瞬間だったのですね。

 


親ばかを承知で書きますが、ユミの事を周囲の人に話すと「かしこい猫だ」と驚かれる事がよくあります。

言葉で意思疎通が出来るようになると、元々猫が持っているかしこさが発揮しやすいのだと思っています。

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